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ギャラクシアン☆日記
タイトルに意味はありません。別に星々が砕けるわけでもありません。「!!!」管理人の不定期の日記です。
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かめのです。
先週くらいからまたもやなんとなく活力のわかない日々を送っています・・・ううむ、夏なのにもったいない・・・と思いつつも図書館にいって本を物色すること(と云うか今自分が何を読みたいのか考えること)がめんどくさくて、本棚におさまっている本をだらだら読んでいます。



『夢野久作全集1』と云うのは、全集の中では異色で、夢野久作が「夢野久作」と云うペンネームを使う前に書かれた童話が収録されています。
童話と銘うたれていても、あんまり教訓的な話はなく、長編『白髪小僧』とかは話の構成がほとんどあの『ドグラ・マグラ』と一緒です。つまり、自分の見た夢が夢ではなく実は現実のようであったり、記憶喪失に陥って前後不覚になっているといきなり第三者が架空の話を語りだすと、どうもそれが自分の分身だったり、分身じゃなくて自分自身のことだったり、いや、どうもそれも全部嘘だったり・・・と、頭がおかしくなりそうです。
その中で『豚吉とヒョロ子』と云う話はなかなか面白かったです。ヒジョーに痛快でした。
ある村に豚吉と云う身長は三尺(90cm?)しかないものの、体重は常人の3、4倍はある男と、身長は一丈八尺(5m40cm!?)あるけれど、棹のようにやせていて、常人の5、6倍は力があるヒョロ子が、村人に面白がって結婚させられそうに(ひどい;;)なったので、あわてて村を脱出。自分たちをフツーの体に治してくれるお医者様を探して旅に出る・・・と云うお話です。
2人とも珍しい体型なので、行く先々で困難が。馬車に乗れなかったり(馬車がひっくりかえるから)、見世物小屋に売り飛ばされそうになったり、井戸に落ちた子供を助けようとしたら、逆に井戸にひっかかったり。まあ、豚吉は残念なことにただのデブ(え?)だったりするのですが、ヒョロ子がすごい。常人とは違う体型を理由に川の渡し賃を倍とられそうになると、憤って豚吉を背負って川を泳いで横断。見世物小屋の檻につかまったときは、ヒョロ長い体を駆使して檻を脱出。そばにあった丸太を用いて豚吉の檻も壊してやる。井戸にひっかかって、クレーンをつかっても救出できなかった豚吉を、両足をひっぱるだけでやすやすとひっこぬく・・・などなど、彼女は夢野文学屈指のヒロインだと思いました。
さらに強力なサブキャラクターとして、無茶先生なる名医がいるのですが、このお医者さん、患者が死のうがバラバラになろうが治療できるスバラシイ名医(医?)なのですが、すごい筋肉質で、そしてなぜか全裸です。お酒は樽で飲み、豚吉とヒョロ子が訪ねていったときは健康体操の最中でした。この無茶先生をふくめて宿屋に泊ろうとした豚吉とヒョロ子は言下に断られました・・・これに無茶先生は激怒するのですが、まあ、当然だよなあ;;

だいぶ長くなりましたが、『豚吉とヒョロ子』おすすめです。と云っても、角川とかの文庫にはどうも収録されていないようなので残念です。
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