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ギャラクシアン☆日記
タイトルに意味はありません。別に星々が砕けるわけでもありません。「!!!」管理人の不定期の日記です。
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昨夜『僕らの音楽』でLOVE PSYCHEDELICOとSMAPの香取くんが対談してました☆★ 地上波に登場するのは、これでようやく3回目らしく(しかも2回目が去年のFNS歌謡祭;;)、かなり貴重な番組でした。香取くんの方が大ファンらしいですね…KUMIに「SMAPの曲で何がいちばん好きですか?」って、質問していて、KUMIのこたえは「青いイナズマ」だった。古っ(笑) 対談後、香取くんとセッションするのかなぁ、とわくわくしていたのですが、セッションだけはなぜか佐野元春でした。…な、なんでやねん(@_@;) でも、KUMIの少年とも少女ともつかない歌声はやっぱりすごく良かったです。

で、ブローティガンの『ホークライン家の怪物』を昨夜読み終わりました。一夜明けても興奮がそのままなのですが…いや、面白かったです。
何処が良かったかというと、章を細かく分断して、詩的な文章や世界観を構築することに長けていたブローティガンが、それをそのまま生かしつつ、ストーリーの筋立てやキャラクター造形もしっかりしているところ…でしょうか。
舞台は1903年のアメリカ、東オレゴン州。主人公の2人・グリアとキャメロンはスゴ腕の殺し屋で、ブローティガン自身がウェスタンをめざしたらしく、「2人ともカウボーイの服装をしていた」とあります。
で、この2人が謎のインディアン娘・マジックチャイルドに雇われて、ホークライン家の怪物を退治しにいく…というのが大まかなストーリーなんですが、まあ途中、ミスホークラインが研究する人類の希望・〈化学物質〉なんかをめぐる争いやら副作用やら、執事の葬式やらが織りこまれていたりはするのですが。そしてそういったストーリーの大まかでない部分に、ブローティガン得意の詩的な世界がひろがっていたりはするのですが…やっぱり特筆すべきは、そういった末節の部分に終始したストーリーじゃなかったことと、今までになかったキャラクターたちでした。
この2人の殺し屋、グリアとキャメロンが非常に魅力的でした。

グリアとキャメロンには、どんな状況でも、最小の努力で最大の効果をあげるように処理できると思わせるところがあった。
乱暴で残忍な感じがしたわけではない。むしろ、そうした気質が蒸留されて得られたエッセンスそのものが鷹揚に悠々としているという感じなのだ。かれらは、誰にも全然わからないが、なにごとかが起こりつつあって、ふたりだけがそれをすっかり承知しているという様子で振舞うのだった。

と、いうはじめの方の文章で、私なんかはもうノックアウトされてしまったカンジです。「処理できる」じゃなくて、「処理できると思わせる」ってところがいい! この2人、殺すときは「あっという間にバラす」くせに、誰かと会話するときは、「声をたてずに穏やかに微笑んだ」なんて描写がはいったりもするので、もうなんか、いや、すごい、ブローティガン。この2人の内面の性質を、ちょっとした仕草やセリフであらわすのが上手なんですよね;;
さらにちょっとベタではあるのですが、

殺ってしまったあと、つらい気持ちになることもあって、そんなときは、グリアが「奴さん、好きだったんだ」というのだ。するとキャメロンは、「そう、いい奴だったよな」と答える。その後は、そのことについてはそれっきりもうなにもいわない。

とかの文章も良いです。 プロっぽいところとプロっぽくないところが同居していて、でも感情にひっぱられていないところがまたカッコいい!
また、このキャメロンの方は、なんでもすぐにそのあたりにあるものを数えるのが癖なのですが、で、その癖のおかげで騒動を解決できたり、逆に結婚に失敗したりもするのですが、この非常にいらだたしい癖に対するグリアの対応は見事。

ときどき、知らない人たちは、いったいキャメロンはなにをしてるのだを訝しがって訊くから、そういうときは、「なにか数えてるんだよ」とグリアは答える。すると、「なにを数えているんだい?」と訊きかえされる。かれは「なにを数えてたって同じじゃないか」と答えることにしているが、そうすると皆、「ああ、そうか」というのだ。

とか。な、なるほど…「ああ、そうか」になるよなぁ。そりゃ;; 
この癖があるのでけっこうキャメロンのキャラクターの方がきわだっていたりするのですが、グリアもなかなか良いです。

「グリア、おまえはどうだ? 肉汁ソース、もう少し貰うか?」
「いや、キャメロン。うまい肉汁ソースだが、もう満タンだ」とグリアは答えた。「おれはこうしておまえがうまそうに食べるところを見物するぜ。うまいといって食っている男を見物するのは楽しいや」

とか。なんかかわいいな、グリア。と思わされてしまったり。
挙げたい箇所はもっとあったりするのですが、書いているうちにやや落ちついてきたので、このあたりにしておきます。オススメですよ『ホークライン家の怪物』。全然西部劇じゃないですけど(ぇ?)…ボリス・ヴィアンの『ヴェルコカンとプランクトン』に似たものを感じます。でも、こっちの方がそんなに不条理でも残酷でもないし、筋のあるストーリーですね☆★
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