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ギャラクシアン☆日記
タイトルに意味はありません。別に星々が砕けるわけでもありません。「!!!」管理人の不定期の日記です。
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かめのです。先日、伯母がひっこしたので、その際に壁に吊るタイプの本棚をゆずりうけました。祖父の手づくりらしく、焼き板をつかったかなり重量感のあるものです。かなりかわいいデザインでもあるので、自室にわくわくしながらとりつけようと、専用の器具を壁にとりつけた、の、です、が…その器具の設置方法をまちがえました。
一個の器具につき、釘を6本うちつけてるので、もうはずせないという…あああ;;
で、さっきまでサトリの術を魔鈴さんに見やぶられたアステリオンなみにショックをうけていたのですが(わかりにくっ)、畳に倒れ伏しながら、白倉由美の『おおきくなりません』をしばらくななめ読みしていると、こんな自分でも生きていていいような気になりました。





白倉由美、買っておいて良かったー(;_;)…うん、きっと吊棚はひとり暮らしをはじめた先の家でつかった方がいいということなんだと解釈することにします。
話はかわって、先日読んだ金井美恵子の『恋愛太平記』ですが…これはめっちゃ面白かったです。ある家族の4姉妹がそれぞれに恋愛し結婚し出産し離婚し浮気し…そして母親はそんな彼女たちに常にやきもきしながら、日常生活に必要あるのかないのかビミョーなものを、今日も買いこんでしまう…という、特に山場らしきものがない小説だったりします。日常ーってカンジではあるのだけれど、生活感にまみれているのとはちょっとちがうというか…「ああ、意外とこんなもんだよなー」みたいに流れる日々の様子が、流れるような文章と上手くマッチしている感じです。
誰か(もしかして金井美恵子かも)がエッセイで「ジェーン・オースティンの小説は他人の結婚話について書いてあるだけなのに、なぜこんなにも面白く読めるのか」ってことを書いていたのだけど、ようやくその意味が解ったようなカンジ。でも、この話を読んで恋愛したくなったり結婚したくなったりするかというと、絶対なりませんね(笑) この話は3部作の構成らしいので、2巻もぜひ読んでみようと思います☆★
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約2週間ぶりのサイト更新をした、かめのです。その折気がついたのですが、我が家のパソコンの調子は相当悪いみたいです。なんだか常に換気扇のような起動音がしていて、動作が非常に遅滞な感じです…作業途中に何十回か「えーい、面倒!」「問答無用! ここで皆殺しだ!」というセリフが脳内をよぎりましたが、特に実際の行動にはうつしませんでした。…そろそろメモリを増設しなきゃいけないとは解っているのですが(-_-;)

先週はなにかの栄養素が不足していたのか、欠食児童的な読書をしてました。金井美恵子の『恋愛太平記1』、森博嗣の『幻惑の死と使途』、中村恵里加の『ぐらシャチ』、ブローティガンの『鳥の神殿』、ウッドハウスの『それゆけ、ジーヴス』…そして、気がつけば1週間。
『ぐらシャチ』とか、あの『ダブルブリッド』の中村恵里加が、こんなタイトルで出したことにまずびっくりだったんですが。…でも、中身はしっかり中村恵里加でした;;かわいいキャラが、さらっと怖い(黒いではなく)です。なんでシャチやねん、とは思いましたが(笑)
あと『鳥の神殿』…ともかく不条理な話でした(@_@;) 謎が謎をよんで増殖しまくってるのに、なにひとつ明らかにならずに終わってしまった…! ボブとコンスタンスがかわいそうすぎるだろ!?…まあ順当なカンジでよむと、たぶん作中の『ギリシャ詩選集』と同じく、この物語は「断片の断片」でしかなくて、だからボブやコンスタンスに感情移入することは「2千年前のギリシャ人を思って泣く」くらい、ばかばかしいことなのかもしれないけど…いやでもやっぱり問答無用でかわいそうだと思いますよ、断片にだって明るい未来があると信じたいんだ(;_;)
あ、あとさらに『恋愛太平記1』なんですが…これは自分にとってロングロングケーキでした。めっちゃ面白いです。3部作なのであと2作読めるのが楽しみなくらい。…これについてはもうちょっと語りたかったりするので、また今度にまわしてみたりします☆★

かめのです。『Dクラッカーズ+プラス』を読み終わりました☆★
ああ、やっぱり自分はDクラを愛していたんだ…と実感しました↓↓↓ もう彼らの戦いが続けて読めないのがさみしい…でもだらだら続いたりするよりはいいですね(;_;)
章的には細かく分かれているのですが、内容としては2部構成になっていて、前半が梓が帰朝して直後の話。麻里奈の自殺未遂の真相ですね。後半が、最終巻の「その後」の話になります。葛根市に「カプセル」にかわる新たなドラッグ「アロマ」の噂がひろがりはじめ、という…こっちが、ホントに良かったです。前半も前半で、今までにおいておいたままになっていた伏線をちゃんと回収して、話を作るあたり、構成力のすごいところだと思うのですが、後半の書き方の方が、この作者の本領発揮だった気がします。ミステリ的手法というか…あんまり書くとネタバレになりそうですね;; 実践捜査研究会のメンバーたちのその後にもやや驚かされましたが、その彼らに後輩ができていたのも、よろこばしいながらもびっくりでした。それにしても、茜ちゃんと甲斐さんは、たぶん死ぬまでルパンと銭形みたいなことするんだろうな…もしくは、諸星あたるとラムちゃんか…それ以外にも、主要だったキャラクターたちはちゃんと全員登場してくれていてうれしかったです。Dクラのキャラはリアルタイムに年をとるので、梓たちも話の中ではもう21、2歳でした。ってゆーか、こんなに細かく気をくばって書ける人なのに、なんで次の『BBB』はあんなことに…いや、ここで別のシリーズのやるせなさを噴出させても仕方ないので、やめておいて、とにかくDクラをちゃんと買いそろえようと思いました。
といいつつ、Dクラは表紙のデザインが通算3回かわってるので、どの版にするか…2版目の富士見ミステリー文庫だと、裏表紙までしっかりイラストがあるし、富士見ファンタジア文庫に移植後のヤツだと、新たに書き下ろされたイラストがついてるし…迷うところです。まあ、迷いが小宇宙に反映されるわけでもないので、迷います(+_+;)
あ、どうでもいい追記ですが、サカナクションの『ライトダンス』をききながら読むと、妙にしっくりくる感じでした☆★

ジャネット・ウィンターソンの小説、『オレンジだけが果物じゃない』を読み終えました。

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…いや、面白かったです。母親と格闘するすべての人たちにとって、切実な小説だと思います;; 終盤、帰郷した「私」がクリスマスに母親とテーブルゲームをするシーンのやりとりとか、短いけど印象的でした。棘のある会話なんだけれども、主人公の諦念があふれでまくりですね(@_@;)
そういえば(?)円からもらったフォンケーキは、その日のうちにおいしくいただきました。 ドライフルーツがインされていたので、、シフォンにはめずらしいな~…と、半分くらい食べてから、自分が以前そういうケーキを食べたいと円に要求していたことを思い出しました。…ううっ、いつも細かいことまで覚えていてくれてありがとう…円が五老峰の春麗にみえるときがあります(;_;)

今日はCSのミステリーチャンネルで『名探偵モンク』があるようなので、かなりわくわくしています。実は昨日待望の『Dクラッカーズ・ショート』を読んで、それはそれで感動してたりするのですが、10時からの『名探偵モンク』を気にしながら情熱をほとばしらせる自信がないので、今日はこのへんにしておきます☆★

昨夜『僕らの音楽』でLOVE PSYCHEDELICOとSMAPの香取くんが対談してました☆★ 地上波に登場するのは、これでようやく3回目らしく(しかも2回目が去年のFNS歌謡祭;;)、かなり貴重な番組でした。香取くんの方が大ファンらしいですね…KUMIに「SMAPの曲で何がいちばん好きですか?」って、質問していて、KUMIのこたえは「青いイナズマ」だった。古っ(笑) 対談後、香取くんとセッションするのかなぁ、とわくわくしていたのですが、セッションだけはなぜか佐野元春でした。…な、なんでやねん(@_@;) でも、KUMIの少年とも少女ともつかない歌声はやっぱりすごく良かったです。

で、ブローティガンの『ホークライン家の怪物』を昨夜読み終わりました。一夜明けても興奮がそのままなのですが…いや、面白かったです。
何処が良かったかというと、章を細かく分断して、詩的な文章や世界観を構築することに長けていたブローティガンが、それをそのまま生かしつつ、ストーリーの筋立てやキャラクター造形もしっかりしているところ…でしょうか。
舞台は1903年のアメリカ、東オレゴン州。主人公の2人・グリアとキャメロンはスゴ腕の殺し屋で、ブローティガン自身がウェスタンをめざしたらしく、「2人ともカウボーイの服装をしていた」とあります。
で、この2人が謎のインディアン娘・マジックチャイルドに雇われて、ホークライン家の怪物を退治しにいく…というのが大まかなストーリーなんですが、まあ途中、ミスホークラインが研究する人類の希望・〈化学物質〉なんかをめぐる争いやら副作用やら、執事の葬式やらが織りこまれていたりはするのですが。そしてそういったストーリーの大まかでない部分に、ブローティガン得意の詩的な世界がひろがっていたりはするのですが…やっぱり特筆すべきは、そういった末節の部分に終始したストーリーじゃなかったことと、今までになかったキャラクターたちでした。
この2人の殺し屋、グリアとキャメロンが非常に魅力的でした。

グリアとキャメロンには、どんな状況でも、最小の努力で最大の効果をあげるように処理できると思わせるところがあった。
乱暴で残忍な感じがしたわけではない。むしろ、そうした気質が蒸留されて得られたエッセンスそのものが鷹揚に悠々としているという感じなのだ。かれらは、誰にも全然わからないが、なにごとかが起こりつつあって、ふたりだけがそれをすっかり承知しているという様子で振舞うのだった。

と、いうはじめの方の文章で、私なんかはもうノックアウトされてしまったカンジです。「処理できる」じゃなくて、「処理できると思わせる」ってところがいい! この2人、殺すときは「あっという間にバラす」くせに、誰かと会話するときは、「声をたてずに穏やかに微笑んだ」なんて描写がはいったりもするので、もうなんか、いや、すごい、ブローティガン。この2人の内面の性質を、ちょっとした仕草やセリフであらわすのが上手なんですよね;;
さらにちょっとベタではあるのですが、

殺ってしまったあと、つらい気持ちになることもあって、そんなときは、グリアが「奴さん、好きだったんだ」というのだ。するとキャメロンは、「そう、いい奴だったよな」と答える。その後は、そのことについてはそれっきりもうなにもいわない。

とかの文章も良いです。 プロっぽいところとプロっぽくないところが同居していて、でも感情にひっぱられていないところがまたカッコいい!
また、このキャメロンの方は、なんでもすぐにそのあたりにあるものを数えるのが癖なのですが、で、その癖のおかげで騒動を解決できたり、逆に結婚に失敗したりもするのですが、この非常にいらだたしい癖に対するグリアの対応は見事。

ときどき、知らない人たちは、いったいキャメロンはなにをしてるのだを訝しがって訊くから、そういうときは、「なにか数えてるんだよ」とグリアは答える。すると、「なにを数えているんだい?」と訊きかえされる。かれは「なにを数えてたって同じじゃないか」と答えることにしているが、そうすると皆、「ああ、そうか」というのだ。

とか。な、なるほど…「ああ、そうか」になるよなぁ。そりゃ;; 
この癖があるのでけっこうキャメロンのキャラクターの方がきわだっていたりするのですが、グリアもなかなか良いです。

「グリア、おまえはどうだ? 肉汁ソース、もう少し貰うか?」
「いや、キャメロン。うまい肉汁ソースだが、もう満タンだ」とグリアは答えた。「おれはこうしておまえがうまそうに食べるところを見物するぜ。うまいといって食っている男を見物するのは楽しいや」

とか。なんかかわいいな、グリア。と思わされてしまったり。
挙げたい箇所はもっとあったりするのですが、書いているうちにやや落ちついてきたので、このあたりにしておきます。オススメですよ『ホークライン家の怪物』。全然西部劇じゃないですけど(ぇ?)…ボリス・ヴィアンの『ヴェルコカンとプランクトン』に似たものを感じます。でも、こっちの方がそんなに不条理でも残酷でもないし、筋のあるストーリーですね☆★